はじめに
こんにちは!10月になり、秋も深まる中で、大学受験を控える受験生の皆さんにとっては一層勉強に力を入れる時期かと思います。
その中で東大以外の大学も受験しようか、それとも東大一本で臨もうか迷っている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は東大受験生の併願校受験事情についての記事をお届けします!
併願校について
文科三類2年のY.Y.です!私からは「併願校を受験する」ことについて、体験談を踏まえながらお伝えします。
私の体験談
私は東大以外に私立大学の2校を受験し、国立大学の後期入試にも出願しました。
1校目は共通テスト利用で政治・経済系の学部を受験しました。
共通テスト利用とは、東大を受験するにあたっても必要な共通テストのみで受験ができる方式で、現地に足を運んで追加で試験を受ける必要がないというのが魅力です。
また、共通テストのだいたいの自己採点があっているかの確認にもなります。
実際私は合格し、安心したことを覚えています。
東大入試まであと少しという時期でメンタルが安定しませんでしたが、「共通テストの結果は相対的にもよかったんだ」ということは自信になりました。
2校目は一般の方式で、実際に大学まで行き、経済系の学部を受験をしました。
私立大学の社会科目は、東大の社会科目とは難しさのベクトルが異なり、より細かい知識が必要だと言われます。
社会科目が苦手で、また第一志望である東大に向けた勉強以外はなるべくしたくなかった私は、社会科目を必要としない数学・英語・小論文での受験方式を選びました。
私の友人には逆に、私立入試では練習として苦手な科目で受験する、という人もいました。
私立大学では入試方法が様々あるので、併願校を受ける目的によって選ぶといいかもしれないですね。
私は、この私立入試に向けての対策をどれほどするべきか悩みました。
お金を払って、合格を目指して受験をするからにはしっかりと対策して臨みたかったのですが...
実際には東大入試の直前期ということもあり、併願校の対策に時間を割くことはできず、過去問を2、3年分解いただけで終わってしまいました。
完璧に対策をするということは難しいので、折り合いをつける必要がありそうです。
さて、私立入試当日のエピソードもご紹介します。
他の受験生が全員頭がよく見えたことを強く覚えています。周りのペンの音にも焦りを駆り立てられました...。
ただ、東大受験の前に経験できてよかったなと思います。東大の二次試験では、比較的落ち着いて臨めました。
合格発表は2月25日の午前中にあり、東大の二次試験の1日目の昼休みに確認することができるということは予め知っていました。
精神衛生上、「東大の試験が終わるまでは絶対に合否を確認しない!!!」と心に誓っていたはずでしたが...
1日目の最初の科目の国語で失敗し、自暴自棄になって合格発表を見てしまったのです。
結果は合格。ほっとしました。
ただこの結果がもし不合格だったら?と考えるとこわいですよね...。
併願校の合否は良くも悪くも第一志望の受験にも影響を及ぼしうるので、私のような安易な行動はおすすめしません。
さてここまで読んで、「なんで文科三類なのに私立大学では政治系や経済系を受けているんだろう?」と思った方もいるかもしれません。
当時は教育系に進みたいと思って東大では文科三類に出願しましたが、教育系以外にも興味があったことや、東大の練習としてはできるだけ難易度が高いと言われる学部を受験したかったことから、政治系と経済系の学部を受験しました。
また、受験はしませんでしたが、国立大学の法学系の学部の後期入試にも出願していました。
出願した理由は、実際にその大学のオープンキャンパスに訪れたことがあり、東大と同じくらい惹かれていたからです。
対策については、東大の二次試験が終わってからやればいいやと思い、それまでは基本的に東大の対策に集中しました。
実際、二次試験後に後期入試の対策を始めましたが、卒業式があったり、友達と遊んだりと気持ちが緩んでしまい、なかなか集中することができませんでしたね...。
後期試験の難しさはモチベーションを維持できないことにあるかなと思います。
併願の仕組み
ここまで私の体験談をお伝えしてきましたが、ここからはより一般的に併願校受験についてお話ししていきます。
そもそも併願とは、第一志望の大学以外にも、他の大学を受験することをいいます。
一般に私立大学の出願時期は12月下旬から1月にかけて、試験日は1月下旬から2月中旬にかけてであることが多いようです。
基本的に国公立大学の後期入試の出願時期は1月下旬から2月上旬にかけて、試験日は3月中旬です。
出願時期は後期入試も前期入試と同じであるということに注意が必要です。
正確な情報については、ご自身でしっかりと確認するようお願いいたします。
私立大学の入試も国公立大学の後期入試もその方式はさまざまです。
特に私立大学だと、同じ学部を受験するにあたっても数種類の方式が用意されていることがあります。
主な方式としては、
共通テスト利用型
共通テスト+個別試験(その大学が独自に用意している試験)型
個別試験型(いわゆる一般受験のことです)
が挙げられます。
併願校でも「確実に合格したい」という場合は、複数の方式で出願するというのも一つの手です。
私も、共通テスト利用で合格した大学の学部については、「共通テスト+個別試験型」でも出願していました。
では次に、併願校の受験のメリットとデメリットを紹介します。
まずメリットとしては、
その1:進学先の選択肢を増やすことができる
たとえ第一志望に不合格だったとしても、併願校で合格していれば進学先を確保することができるのです。
私はもし東大が不合格だったら、もう一年頑張ろうと決めていましたが、一方でいつ気が変わってもおかしくないと思っていたので併願校の合格は安心材料になりました。
その2:第一志望の練習をすることができる
実際に会場に赴き、試験を解くことで試験慣れをすることができます。東大入試当日のシミュレーションをすることができるわけです。
前日は何時に寝るか、試験直前はどのようなことを確認するか、どのような昼食をとるかなどを試すいい機会になります。
一方でデメリットとしては、
その1:時間がかかる
先述しましたが、私立大学の入試は1月下旬から2月中旬にかけて実施されることが多いですが、その時期はやはり東大の二次試験に向けての勉強に集中したいですよね。
しかし併願校を受験するとなると、対策の時間や、遠方から来られる場合にはそれなりの移動時間、さらに試験当日は半日から1日の時間が取られてしまいます。
受験直前期の1日というのは想像以上に重みがあるので、精神的にも負担に感じるかもしれません。
その2:お金がかかる
私立大学も国公立大学も受験料は決して安いと言えるものではありません。
さらに、試験会場まで行く交通費や場合によっては宿泊費がかかります。
受験全般で言えることですが、皆さんのそれぞれの状況や受験に対する考え方にあった選択をすることがベストです!
いくつ併願校を受験するかについては、これらのメリット・デメリットを勘案して決めていただければいいと思います。私の周りの東大生の話を聞いていると、2〜3校ほど受験している人が多いかなと思います。
一方で東大以外は受験しないという選択肢もあり、実際にその選択をした東大生もいます。
ということで次に、東大一本で受験したK.I.さんの体験談を聞いてみましょう!
東大一本について
こんにちは!理科一類2年のK.I.です。
私からは、本命の東大以外を受験しない、東大一本の受験についてお話しします。
「東大一本なんて信じられない!落ちたらどうするの!」と思う方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、よく考えた上での選択でしたので、こんな考え方もあるのかと、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。
私の体験談
私は現役・浪人で受験を2回経験しました。
1回目、現役の時は私立を受験せず、前期日程で東京大学理科一類を受験しました。
結果は残念ながら不合格。
すぐに後期日程で出願していた、九州大学工学部I群を受験しに行きました。
(後期日程を受験しているので厳密には東大一本とは言えませんね汗)
こちらは合格することができましたが、悩んだ末どうしても東大に行きたいと親に頼み込み、某予備校で一年間勉強を続けることを決めました。
そして迎えた2回目の受験。
この時も私立は受験せず、前期日程で東京大学理科一類を受験し、今に至るというわけです。
では、なぜ私立を受験しなかったのでしょうか。
理由として一番大きかったのは、東大の受験に万全の状態で臨むためです。
この「万全の状態」というのは、体調の面と勉強の面の両方を考慮していました。
特に現役の時は、コロナウイルス感染症の流行がまだ収まっておらず、不用意に外出をしたくないという思いが強くありました。
感染症の心配を除いたとしても、私は当時宮崎に住んでいたので、私立を受験するとなると、移動等による疲労で体調を崩してしまう、なんてことも、、、
つまりギリギリまで普段通りに勉強していたかったわけですね。
実際東大一本で受験をしてみて良かったなと思うのは、事前の目論見通り、ベストなコンディションで受験本番を迎えられたことです。
料理に例えてみましょう。
試験の成績、料理でいうところの’料理の出来’を決めるのは、ひとえに試験本番、すなわち’調理’ですよね。
しかし、そのためには、問題の解き方、’レシピ’を学んでおかなければなりません。
これが受験に向けてコツコツと勉強をしている段階です。
そしていざ調理に臨むとき、まずやることはなんでしょうか。
そう、’下ごしらえ’です。
このコンディションを整えることが、受験における下ごしらえといえるのではないでしょうか。
下ごしらえをいい加減にやっていては、せっかくいいレシピを得ても、思うように調理できませんよね。
つまり、受験本番に向けてコンディションを整えることは、試験を受ける土台として重要であり、それを達成する手段の一つとして東大一本というやり方があるわけです。
逆に東大一本にして大変だったことは、前期日程が近づくにつれて周りの多くの人が私立を受験し、合格して受験を終える人、滑り止めの合格を手にする人が出てくることです。
一緒に勉強してきた仲間としては喜ばしい限りなのですが、1人の受験生としては他人と比較して拠り所がないことに焦りを感じるばかりでした。
そのような焦りは、ただ一心に勉強に取り組むことで頭から振り落とす他ありません。
東大一本とは
さて長々と体験談と私の考えを述べてきましたが、東大一本の受験についてまとめさせていただきます。
東大一本の受験とは、私立大学に出願(併願)せず、東京大学のみを受験することをいいます。
東大一本のメリット、デメリットとしては、
メリット1:体調の管理がしやすい
繰り返しにはなりますが、特に地方からの受験者にとっては私立大学の受験はハードなものです。本命の受験に影響が出ないよう、よく考えて出願したいところですね。
メリット2:ギリギリまで普段通りの勉強ができる
これも先に述べましたが、前期日程に自分の賢さとモチベーションのピークを持ってくるには、これが一番ではないかと個人的には思います。
メリット3:背水の陣で臨める
落ちたら浪人、後がないという逆境を力に変える自信がある人には、おすすめです!
デメリット1:周りの合格が耳に入る
私立大学入試の多くが国公立大学入試前期日程より先にある以上、これは避けられないものですが、自分は大丈夫だと強い気持ちを持ち続ければ大丈夫です!
デメリット2:試験本番の練習ができない
東大入試に特化した模試を受けているとはいえ、試験本番の雰囲気を当日初めて知るというのは、少し怖いところではあります。
絶対に東大一本がいい、というつもりは毛頭ありません。
どうするのが自分にとって一番納得のいく結果になるか、よく考えていただけたらと思います。
さいごに
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
併願校について、イメージは沸いたでしょうか?
受験生の皆様が併願校を考える際に、こちらの記事が少しでも参考になれば幸いです。
皆様の健闘をお祈りしています。
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