2025-02 東大の科類選び【文系編】

2024年8月21日水曜日

科類 進学選択 文系

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はじめに


こんにちは!

東京大学文科三類2年のY.A.です。


今回は、文系の「科類選び」について私の体験談と共にお話していきます。


理系の科類選びに関しては2024-04 東大の科類選び【理系編】で詳しく取り扱っているのでこちらも併せてお読みください。


皆さんは、「科類」という言葉を聞いたことはありませんか?


東大では、一般入試の場合、文科一類・二類・三類、理科一類・二類・三類の6つの科類に分かれて受験し、前期教養課程を経て、2年生の後期から自分の行きたい学部・学科へ進んでゆくというシステムが採用されています。


一見すると、どんな科類であっても入学さえ出来れば、自分の興味のある学科や学部へ進んで行けると思われるかもしれません。


しかし、進学選択では各科類から各学部・学科へ進める人数に制限があり、進みやすい学部が科類によって大きく異なります。


そのため、科類選びが自身の東大生活を大きく左右することになるのです。


そこで、進学選択の際の上記のポイントを踏まえながら、私の体験談とともに科類選びについてお話します。


ここで、進学選択の話については2024-08 東大「進振り」の魅力 ー私の運命を変えた、進学選択ーで詳しく取り扱っているので、こちらも是非ご参照ください。


また、各学科の定数について気になる方は進学選択に関する情報をご覧ください。


科類選びを経験して感じたこと


皆さんの中には、「進みたい学部が決まっていないため、東大で興味のある学問を見つけたい」という思いから東大を志望される方も多いと思います。

私も同じく、受験生時代は興味のある学問分野が多岐に渡っており、興味のある分野を絞り切れず、受験する科類を決めかねていました。

そこで、ひとまず「東大に入りやすい科類に進む」ことを優先し、合格最低点や定員を照らし合わせて、定員が最も多い文科三類の受験を選択しました。


文科三類の必修科目は、第二外国語や英語などの語学や、政治や経済などの社会科学、文学や倫理学などの人文科学などが存在します。


私は、ドイツ語を第二外国語に選びましたが、男性名詞や中性名詞など名詞に種類が複数存在するという点を特に難しく感じました。


ドイツ語の授業では文法を中心に学習する反面、単語や活用はそこまで扱わず、それらを自分で身に着けていかないと授業に置いて行かれやすくなるため、それらを補うことに非常に苦労しました。


英語に関しては、「読み、書き、話し、聞き」の4技能を幅広く扱う上に、英語で論文を書く授業が存在し、幅広い英語のスキルが求められるため、英語学習は欠かせません。


文科三類では語学系の科目を多数履修しそれらの科目で点数を稼ぐ人が多いですが、私自身は語学系の科目をかなり難しく感じたため、苦労しました。


ただし、文科三類では、社会科学や人文科学の制限が他の科類よりも緩いため、それらの科目を比較的自由に選択できる点が良い点だと感じています。


ここで、「まだ進む学部を決めかねている人が多い」と先述しましたが、興味のある学問を受験段階で見つけている人でも、進学選択の際には興味の対象が変わっている場合も多いです。


私は、東大入学から進学選択までに政治や経済・文学・教育などの幅広い分野の授業を受けてきた結果、進学選択の時期には、入学時には全く興味が湧かなかった経済学に非常に興味がある状態になりました。


これを踏まえて、私は入学後に興味を持った経済系の学科と入学前から少し興味があった教育系の学科の2つが選択肢に上がっています。


この時に私は、「科類によって進みやすい学部・学科が変わってくる」ということを強く実感しました。


経済系の学科は、文科二類からの枠が大半で、その他の科類から進学するためには高得点が必要になります。


教育系の学科は文科三類からの枠が大半である一方で、各学科の定員が少ないため、文科三類に所属していても教育系の学科に進めるとは限りません。


自分の興味が変わることも視野に入れて科類選びをしなかったことを少し後悔するとともに、「進学選択の時までどうなるか分からない」ということを強く実感しています




科類選びの際の重要ポイント


ここまで、私の体験談を元に科類選びについて述べてきました。

それを踏まえた上で、科類選びをする上で一番大切なことは自分の興味に沿って選ぶということだと思います。

「この科類からでは受け入れることができない」という学科や「この授業を取っていないと受け入れられない」という学科も存在しますが、基本的に科類によって変わるのはあくまで「学部・学科への行きやすさ」です。


「学部・学科へ進めるかどうか」が決まってしまう訳ではありません。


確かに、進学選択は入学後の成績を元に行われるので、ひとまず合格最低点が最も低い科類に入学し入学後に頑張れば良いということも事実でありますし、大切な事だと思います。


しかし、学部・学科への行きやすさが科類によって変わることも事実なので、妥協して進学選択をするという事態を避けるためにも、慎重に科類を選ぶことも重要です。


そして、科類によってカリキュラムは異なります。興味ある授業を多く履修できる科類に入学して頑張る方が、自分のモチベーション向上につながりますし、それが結果的に好成績を取ることにもつながってくると思います。


そのため、科類選びに迷ったら、まずは今の自分が一番興味のあることを最優先して考えてみてください。


後悔のない科類選びができると思います


このブログをお読みいただいた皆さんへ


ここまで、私の体験談や科類選びのポイントについて述べてきましたが、科類選びの際に意識してほしいポイントをおさらいすると以下の3点になります。


1. 今の自分の興味のある分野を調べること


2. 各科類がどこの学部・学科へ進みやすいか調べること


3. 興味と進みやすさをすり合わせて受験する科類を決めること


自分の興味のある分野は時間と共に変わるものです。

このブログをお読みいただいた皆さんの中にも、入学後に興味の対象が変わる人が多いことでしょう。


しかし、今の自分が興味のあることを優先することが自分のモチベーションを一番高めます。

迷った時は自分の興味に従うことを忘れないでください。


そして、まだ興味のあることが分からないという方は、学部・学科のサイトを調べてみたり日常生活の中で「おもしろそう!」と思えるものを探してみてください。

きっと自分の興味のあることが見つかると思います。




それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

皆さんが、後悔の無い科類選びができることを願っています!


次回は【8/28】東大生の生活(理系編)お届けします!



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